住宅ローンを借り換えする際は、住宅購入時と同様に、住宅ローンをその人に貸し出してもよいかの金融機関の審査があります。
住宅購入時に一度借り入れているので今回も大丈夫だろうと、安易に考えていると、思ってもみない部分で審査にひっかかってしまい、いざ借入できなかった、ということも起こりかねません。
住宅ローン借り換えに関する審査ポイントをしっかりチェックし、事前に問題点を調整して、準備万端で住宅ローン借り換えに着手しましょう。
住宅ローン借り換えを考える頃には、どこのご家庭でも最初の借り入れと比べて、状況は変化していることでしょう。
たとえば、こんなことがあるかもしれません。
・収入合算していた奥さまが、子供ができて退職した、短時間勤務になった
・ご主人が最近転職した
・ボーナスが減って年収が下がってしまった
住宅ローン借り換えは、当初の借り入れと同様に審査を受けます。
次の項目に変化がある場合は、注意しなければなりません。
ポイントは以下の項目です。
(1)年齢
(2)年収
(3)勤続年数
(4)返済比率
(5)団体信用生命保険の加入の可否
(6)担保物件の評価額
(7)延滞暦
(8)他の借り入れ状況
それでは、ひとつひとつ確認していきましょう。
(1)年齢
年齢は、借り入れをする方が、最後まで返済できるかどうか、定期的な収入が確保できるかどうかを金融期間は審査で見ています。
住宅ローン借入期間が長く、借り換えの際の年齢が定年間際の場合などには、審査は厳しいものが予想されます。
大概の方は物件購入時に年齢を考えたうえで、住宅ローンの借り入れ期間を設定していると思いますが、事情により返済期間を現在より伸ばしたいと考えている場合などは、基本的には期間を延ばすのは認めてもらえないことが多いでしょう。
(2)年収
最初に例にあげましたが、たとえばこのようなことがあるかもしれません。
・収入合算していた奥さまが子供ができて退職した、短時間勤務になった
・ご主人が最近転職した、ボーナスが減って年収が下がってしまった
年収自体が下がってしまうと、(4)の返済比率に影響がでてきます。
この返済比率をクリアできないと、住宅ローン借り換えすることはできません。
(3)勤続年数
某都銀の融資条件の例を確認してみましょう。
最初の住宅購入時と住宅ローン借り換えの場合の融資条件はほとんど同じです。
<某都銀>
・満20歳以上71歳未満で、最終ご返済時の年齢が満81歳未満の方
・当行が契約する生命保険会社の団体信用生命保険に加入が認められる方
・安定した収入のある方
・保証会社の保証を受けられる方
・原則、日本国籍の方または永住許可等を受けている外国人の方
この銀行は「安定した収入のある方」と漠然としたいい方をしていますが、多くの銀行では2年以上勤続している、という条件をつけています。
中には半年以上というところもあれば、3年以上、と謳っている金融機関もあります。最近はパートや派遣社員でも貸出してくれる金融機関が増えてきました。
転職直後でも、書類を揃えることで貸し出してくれる場合もあるようです。
(4)返済比率
返済比率とは、年収に対して住宅ローンの支払額が何%かという金融機関が審査の目安にしている割合のことをいいます。
返済比率(%)=一年間の元利金等返済額÷税込み年収×100
返済比率はかなり重要なポイントになります。
借り換えの場合は、返済比率が新規より厳しくみられる場合が多く、年収が転職などで借入時より下がっていると、条件が厳しくなる場合があります。
一般的に、金融機関では返済比率を最大35〜40%以内としています。
ある都銀の例によると
税込年収 返済比率
200万円以上 300万円未満 =年収の25%以内
300万円以上 400万円未満 =年収の30%以内
400万円以上 =年収の35%以内
としています。
この一年間の元利金等返済額を計算するときの金利は公表されていませんが、多くの銀行が3〜4%程度にしているようです。
たとえば、税込み年収600万円の人で、月返済額12.5万円なら年間返済額は150万円
つまり、返済比率は150万円÷600万円×100=25% ということになります。
(5)団体信用生命保険の加入の可否
住宅ローンを借り入れた人が死亡または高度障害になった場合、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を支払って住宅ローンが完済されるという、万一のための保険です。
当初の住宅ローン借り入れ時にも加入されていると思いますが、住宅ローンを借り換えするにあたって、再度入り直すことになります。
保険商品ですから、もし健康状態に問題があれば、加入できない場合もあります。
現在は団信に加入しなくても借り入れのできる住宅ローンもでてきていますが、大きな借入額になる住宅ローンですから、しっかりと保障をつけておかないと、万一の際に残された家族が生活が困難な事態になることもありえます。
健康状態が良好なうちに、住宅ローンの借り換えを考えるのも重要です。
最近は加入要件を緩くする代わりに保険料が若干高いタイプや、保障範囲を広げて、死亡以外のリスクに対応するような団体信用生命保険もでてきています。
たとえば、「3大疾病保障特約」という悪性新生物(がん)・急性心筋梗塞・脳卒中に羅患した場合にも死亡時と同じように住宅ローンが完済される団体信用生命保険や、「8大疾病補償」つきの団体信用生命保険もありますが、別途保険料がかかったり、残債を0円にするためには条件が必要な場合もありますので、費用対効果をよく検討して選択しましょう。
団体信用生命保険をかけるのが任意の住宅ローンであれば、団体信用生命保険と団体信用生命保険以外の民間の保険と比較して、保障内容や保障期間がどのように違うのか、民間の保険会社であれば選択肢はさらに広がりますので自分に合うタイプはどれなのか、しっかり選択しましょう。
(6)担保物件の評価額
金融機関は、借入者が購入する物件が、銀行の求める担保としての、資産価値が認められる物件であるかをみています。
必ずしも物件価格と担保価値はイコールにならないため、なかなかわかりにくい部分です。
金融機関は担保として、土地や建物の権利関係や、建築基準法はきちんとまもられているかも含めて、資産価値を評価しています。
その評価額までは住宅ローンを借り入れることができるのですが、価値を超える借り入れになると、いざというときに金融機関が売却して回収できないため、担保価値以上の借り入れを行うことはなかなか難しいのです。 (金融機関によっては、担保価値の150%〜200%まで融資するなど、拡大して評価する金融機関もあります)
(7)延滞暦
延滞歴があると、住宅ローンの借り換えは難しくなります。
住宅ローンの支払いの遅れだけでなく、様々な支払いの遅延が影響してきますので、注意が必要です。
もし税金や国民健康保険料を滞納していることが、金融機関に分かってしまった場合も同様です。
会社に勤めている人は給料天引きされていれば保険料や税金は会社経由で納められていますので安心ですが、自営業など給与所得ではない方は自ら納めなければならないため、うっかりしがちです。
特に国民健康保険証は滞納を続けてしまうと、保険証の有効期間が短くなってしまいますので、保険証を見ただけで滞納があることがわかってしまいます。
特に住宅ローン借入れ前は注意しましょう。
(8)他の借り入れ状況
他の借り入れがある場合も、年収の返済比率に影響がでてきますので注意が必要です。
他のローンとは、たとえば
・車のローン
・教育ローン
・お金を借り入れられるカード枠
などです。
返済負担率は、すでに借入れているカードローンなどの返済額も合計した上で計算することになります。
すでに借金があるのであれば、住宅ローンの審査に出す前に、なるべく返済してしまいましょう。
カードの場合で、借り入れがなくてもキャッシング枠が借入額とみなされる場合もあります。
できるならカードを解約して解約証明書をもらっておくと審査の際に解約してある証明になりますので返済負担率にカウントされません。
また、もしカードローンや他のローンで返済不履行の記録があると、審査で不利になりますので、注意しましょう。
次のステップは、 住宅ローン借り換えの流れです。
←レッスンtopに戻る 次のレッスンへ→サイトメニュー
相談メニュー
トピックス
埼玉県 イベント
東京 日本橋 イベント
大阪 イベント
無料WEB住宅ローン相談
住宅選びお役立ち情報