住宅ローンの借り換えにはいくつか注意点があります。
いままで諸費用や審査について書いてきましたが、この後は個々の家庭によって、住宅ローンの選択肢が異なってくる部分になります。
まず、最初の借り入れ時も検討していると思いますが、ここでは住宅ローンに関する基本のことをおさらいしていきましょう。
住宅ローンを組んだ際に、固定金利と変動金利、あなたはどちらを選びましたか?
またそれを選んだ理由は、明確にあったでしょうか。
なんとなくすすめられて、不動産屋のプランで、これなら楽に支払いできると言われて、など、ご自身で比較しながら決めなかった方も多いのではないでしょうか。
固定金利と変動金利のどちらがよいのか、だれしも悩むところだと思います。
まず、返済方法や金利についての説明、最後に固定金利と変動金利、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
(1)2つの返済方法
返済には2つの方式があります。
@元利均等返済方式 返済額の内訳である元金と利息の合計額が常に一定。
A元金均等返済方式 返済額の内訳である元金部分は常に定額で利息の部分が当初高く、毎月利息が下がっていく。
Aの元金均等返済方式のほうは返済額も当初高く、返済ごとにさがっていきます。
大部分の方が@元利均等返済方式を選んでいると思います。
支払う総利息で言えば、Aの元金均等返済方式のほうが、@の元利均等返済方式よりも毎月多く元本を払っていきますので、結果的に総利息が少なくなります。
それでも@の元利均等返済で借り入れる人が多いのは、借りる側も、支払い金額が毎月変わるより、ずっと一定のほうがわかりやすいですよね。
(2)3つの金利タイプ
固定金利、変動金利、一定期間固定金利の3つのタイプでは、どの期間が一定の金利で、支払い額はいつまで一定額なのかをみていきましょう。
@固定金利型 金利が借入期間の間、常に一定で返済額も変わらない。
A一定期間固定金利型 たとえば借入期間が35年で当初10年だけが固定金利になっているようなタイプ。
最初の10年間は金利も返済額も定額ですが、10年後にはその時の金利に合わせて金利の見直しとなり、返済額も変わる可能性があります。
B変動金利型 多くの金融機関では金利は半年ごとに見直しされ、返済額は5年単位で変わる。
(3)基準金利と適用金利
基準金利と優遇金利は何が違うのでしょうか?
ご自身の住宅ローンを借り入れた時、優遇金利はいくつだったか覚えているでしょうか。
@基準金利 金融機関の店頭表示金利のこと。
A優遇金利 通常店頭表示金利から、借り入れする人の条件によって金融機関が決める割引金利。
割引の幅を優遇金利といい、店頭表示金利から優遇金利を引いたものが、実際に借り入れる適用金利となります。
適用期間がそれぞれ契約時の条件で異なりますので、注意しましょう。
全期間定額を割り引いてくれる場合と、一定期間だけ割り引いてくれる場合、途中から適用金利が変わる場合、などがあります。
ご自身で自分の住宅ローンは何%優遇で、期間はどのくらいか確認してみましょう。
住宅ローンを借り換える際は、自分にとってどのタイプが、一番適しているのか、再確認するとよいでしょう。
(4)固定金利と変動金利
固定金利はその名の通り、固定した金利のことをいいます。
変動金利は、金利はその時々に応じて変わっていきます。
固定金利はずっと同じ金利ですから、リスクを考えた時に返済金額が変わってしまうという心配はありません。
変動金利は支払金額が変わってしまうリスクがありますので、この二つを比べると、固定金利のほうが変動金利よりもリスクがない分高めに設定されているのがわかると思います。
(5)将来の金利変動リスク
住宅ローンはたとえば35年間など、長期間に渡って借り入れ、返済は長期間続いていきます。
そのため、将来の金利変動リスクは考慮しておくことが重要です。
しかし将来どのように金利が動くかはだれにも予測はつきません。では過去30年間、どのような状況があったかを考えてみましょう。
過去30年以内の変動金利を考えてみると、店頭表示金利で、一番高いときは8%を超える時期もありました。
今から30年後、どのように変わっているかは予測ができませんが、過去にこういったことがあったことは考慮にいれたうえで、しっかりと金利の選択をする必要があります。
(6)変動金利の注意点〜未払利息の問題
変動金利の未払い利息というものがあります。
多くの金融機関の変動金利は半年ごとに金利が変わっていきますが、返済額は5年間変わらないというルールがあります。
たとえば返済期間の1年後に金利が急上昇した場合、今まで支払っている返済額は変わりませんが、実は金利に合わせて、返済する元本と利息の割合がかわるというルールです。
そのため、支払いしなければいけない利息のほうが、毎月の返済額を超えてしまう逆転現象が起こるような状況も可能性がでてきます。
この支払利息が返済額を超えた部分が、未払い利息になります。
元金の残高が減らずに支払利息が常に積みあがっていく、こういった危険性が変動金利にはあるのです。
(7)固定金利と変動金利、自分に合うのはどちらか
固定金利と変動金利のどちらも一長一短があり、どちらがいいということはできません。
いくらの年収で、どういった家族構成であればこちらがいい、というような回答はありません。
ご家庭ごとに生活の仕方やお金の使い方が異なるからです。
しかし、金利の特性を知ることで、ご自身の生活に合うタイプを選択することができます。
ご自身がどういった考えなのか、一生涯を通じてどういう生活をしたいか、自分の生活に合っているのは毎月いくらの返済額か、どういった返済方法が適しているのか、そういう視点から住宅ローンを選択することがとても大切です。
それでは金融機関はどのように選べばいいのでしょうか。
2.借り換えにかかる諸費用とはで紹介したように、住宅ローンを借り換えるにはさまざまな諸費用がかかってきます。
・印紙税
・金融機関への手数料
・住宅ローン保証料
・登記手数料
・団体信用生命保険料 等
これらの費用は金融機関ごとに異なりますので、金融機関に試算してもらって、比較することになります。
借り入れの際は、諸費用も含めたトータルコストで考えて、効果がでるかどうかを見極めることが大切です。金融機関の選び方は、こういったところに注意して選択するとよいでしょう。
次のステップは、 借り換えの失敗例とまとめです。
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